媒介契約の種類と特徴の総合解説
不動産売却で選ばれる主な媒介契約は、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類です。それぞれの特徴を理解することで最適な選択ができます。
| 契約種別 |
複数社依頼 |
契約期間 |
売却状況報告 |
レインズ登録 |
| 一般媒介 |
可能 |
法定なし |
義務なし |
任意 |
| 専任媒介 |
不可 |
3ヶ月 |
2週間に1回 |
7日以内必須 |
| 専属専任媒介 |
不可 |
3ヶ月 |
1週間に1回 |
5日以内必須 |
ポイント
- 一般媒介は自由度が高く、複数業者へ依頼可能
- 専任媒介は1社に絞る代わりに手厚いサポート
- 専属専任媒介はさらに厳格な条件と管理体制
契約期間・報告義務・レインズ登録の違い
専任媒介契約の主な特徴:
- 契約期間は3ヶ月以内が原則
- 2週間に1回以上の報告義務が業者に課される
- 7日以内にレインズ(不動産流通標準情報システム)への登録が必須
これにより売主は販売活動や状況を定期的に把握でき、売却の透明性や安心感が高まります。
専任媒介契約の法的根拠と売主・仲介業者の義務
専任媒介契約は宅地建物取引業法で定められており、売主の利益保護と業者の誠実な取引を義務付けています。
主な義務:
- 業者は売主へ販売活動状況を定期報告
- レインズへの物件登録
- 契約解除時は書面で通知
売主は他の不動産会社とは契約できませんが、自己発見取引(自分で買主を見つけた場合の直接取引)は可能です。
媒介契約の選び方とケース別おすすめの契約形態
物件や状況に応じた媒介契約選びが重要です。
- 複数の業者で幅広く売りたい場合:一般媒介
- 手厚いサポートや販売戦略を重視したい場合:専任媒介
- スピード重視やより細やかな管理が必要な場合:専属専任媒介
ケース別おすすめの媒介契約
① できるだけ早く確実に売りたい場合
② 自分でも買主を探したい場合
③ 多くの業者に競わせたい場合
契約選びの判断基準
-
売却までの期間 → 急ぎなら専属専任
-
売却への関与度 → 自分も探したいなら専任
-
業者との信頼関係 → 信頼できる1社があるなら専属専任/専任
-
市場性や物件の希少性 → 人気エリアなら一般媒介も有効
物件の種類・地域特性による契約の最適化
マンションや都市部物件は専任媒介が選ばれやすく、売却活動のスピードや成約率向上が期待できます。
土地や地方物件は一般媒介で複数業者に依頼し、広く買い手を探す方法が効果的です。
それぞれの契約形態のメリット・デメリットを把握し、物件と地域の特性に合わせて選ぶことが売却成功のカギとなります。